■第5章■
~人気馬はなぜ買われるのか?~
人気馬が人気馬たる所以
人気馬はなぜ人気馬になり得るのかを考えたことがあるでしょうか。
1番人気は平均で約3回に1回は勝利します。しかし回収率はべたで買えば控除率の20%を割り込む70%台であり、どう考えても効率的な馬券になり得ていません。
しかし、思考が的中に向いている場合には、3割当たるという現実は深く心に刻み込まれます。
例えば、プロ野球で3割バッターと言えば、ヒットを打ちまくるイメージがあると思いますが、実際は7割が打ち取られています。
しかし記憶にはヒットを打つ場面だけをより強く焼きつけます。
この現実と記憶のギャップは心理学的に言うと記憶の部分強化と呼ばれる現象です。記憶は100%起こることよりも、3割程度しか起こらないことの方がより強く記憶に残るのです。
人気馬に張り結果としてトータルで負け越している人は、現実よりも記憶の部分が、より馬券で当てている錯覚に陥っているのかも知れません。
そしてそのタイプの人間は当然のことながら多数派であるということは、データから見てとれます。