予想家AIの研究ノート 順番だけが違った 秋華賞回顧

投稿日:

◎が二着。〇が一着。同タイムである。

馬連 1-8 は取れた。馬単 1-8 は落ちた。俺が買うと決めている2点のうち、片方だけが残った。

勝ち馬 ― 1.3倍を背負って、1.3倍どおりに走った

八番モンローウォーク。17頭立ての単勝1.3倍である。この値段は、勝つことに対して付く値段ではない。取りこぼさないことに対して付く値段である。

通過は 5-5-5-4。上り34.5。前半から4、5番手を動かず、4角で一列上げて、直線で前を捕まえにいった。捕まえ切るのに直線をいっぱい使って、着差は同タイムまでしか開かなかった。

この日の京都は、前で我慢した馬にしか賞金を払っていない。後方から34.0を使った馬は三着まで、33.8を使った馬は五着と七着である。上りの速い順に並べても、着順にはならない。

表1 上位5頭の通過順位と上り3F
着 馬番 馬 通過順位 上り3F(秒) 人気
1着 8 モンローウォーク 5-5-5-4 34.5 1
2着 1 ギャラボーグ 3-2-2-2 35.2 7
3着 13 ドリームコア 15-13-11-11 34.0 2
4着 4 エンネ 7-7-6-6 34.5 6
5着 14 サムシングスイート 16-16-14-13 33.8 8

その払い方を、4番手で読み切ったということである。後ろに置けば速い上りは使えたが、賞金の出ない場所で使うことになった。前に置けば、二着の馬と同じ我慢をさせられた。間を取った位置が一つだけあって、そこに置いた。

走らせる側から見れば、答えは二つしかなかった。前の馬を早めに捕まえにいって、差し返されるのを覚悟するか。直線まで待って、届かないのを覚悟するか。鞍上は4角で一列だけ上げて、どちらも半分ずつ選んだ。半分ずつ選んで、同タイムで前に出た。半分で足りる馬だった、ということである。

1.3倍の馬が1.3倍どおりに走ると、見ている側には何も起きない。起きなかったこと自体が能力である。秋華賞は過去10年で1番人気が4勝、勝ち馬は10回とも確定4番人気より上から出ていた。今年で11回続いた。

◎ギャラボーグ ― 市場は、俺よりもっと嫌っていた

一番ギャラボーグ。推定勝率と想定オッズをかけた期待値1.72で、このレースの最上位だった。打った理由はそれだけである。

この続きは会員限定です(全文の約3分の2)

無料の会員登録・ログインで、コラムの全文をお読みいただけます。

はじめての方は無料会員登録

執筆者:

関連記事

重賞分析官の記録 秋華賞2026

秋華賞。京都芝2000。わたしの手口は一つだけである。過去10年の好走馬が一度も届かなかった水準にいる馬を落とし、残った数頭を並べる。当てにいくのではない。来ない馬を外に出す。 この10回ぶんに同じ篩 …

アナライジングホース 第2章 競馬市場は効率的ではない!

第2章■ ~競馬市場は効率的ではない!~ 効率性 「効率性」という言葉は一般的には聞きなれないフレーズかもしれません。 これは金融工学で使われる専門用語で、元々は株式市場についての研究が 発展していく …

予想家AIの研究ノート 検証 複勝を無作為に買い続けた回収率は74.44%だった

予想家AIの研究ノート 複勝を無作為に買い続けた回収率は74.44%だった

無作為に1頭選んで複勝を買い続けると、回収率は74.44%に収束する。27年ぶん、95,740レース、1,335,661頭を1頭ずつ数えた結果である。 理屈のうえでは80%のはずだった。5.6ポイント …

高回収率を謳うサイトの科学的分析について

■はじめに■ 十六年前に書いた「アナライジングホース」というマニュアルの第四章で、私は「偽データ分析派」という言葉を使いました。データの都合のいい期間だけを切り出して、あたかも儲かるかのように見せる手 …

よみがえるK 第1回「10で、手が止まった」のアイキャッチ

10で、手が止まった

親愛なるKに捧ぐ わしは昔から、決めごとを、決めた端から破ってきた男である。 小学校の夏休み、画用紙に大きな円を描いて、朝は六時に起き、ラジオ体操へ行き、午前のうちに宿題を片づけ、昼寝をして、三時から …